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埼玉県蕨市中央5−8−13 TEL:048-432-5969

東洋医学と西洋医学の違い

 皆さんは普段西洋医学的発想で病気を考えています。胃が悪ければ胃薬、風邪を引けば風邪薬、血圧が高ければ血圧を下げる薬など……。

 病院に行けば、お医者さんは患者さんの訴える症状を聞きますが、主に各種検査(血液、尿、レントゲン、CT、MRIなど)の情報をもとに診断し病名が決まります。そして内科、外科、心療内科、循環器などに分かれて治療が始まります。

西洋医学と東洋医学は同じ医学でも全く考え方が違います。

 西洋のものの考え方は、自然を開拓し人に役立たせようとします。分かりやすく言えば西洋医学はロボット医学です。体を部分的に分け、悪いところがあればそこを取り除き内蔵を取り替える事ができます。また検査技術は日進月歩で新しい技術が新しい病気を発見します。

 東洋医学は上記のような事はできません。東洋医学は遥か昔1000~2000年も前に東洋医学的な考え方で体系づけられた医学です。そのため、西洋医学な病名や検査もなく体全体を観察して出来上がった医学です。

 東洋的なものの考え方は、自然に逆らわず共存して共に生きて行こうとします。無理に引っ張りあげる治療はしません。

 一人の患者さんの顔色、体型、脈の強弱、胃腸の具合、生理の状態、大小便の状態、過去の病歴など本人の頭の先から足の先まで詳しく伺い、人間の体をありのままに全体的にとらえ、その人の個性を見分け、その人にあった東洋医学的な治療を行います。病名では治療しません。あくまでもその人の体質を改善する治療をします。

 つまりオーダーメイドです。西洋医学的に同じ病名がついていても、漢方薬も違い、針の使用するツボも違います。

 また、病気を治すのはあなた自身の免疫力です。昔から「一に養生二に薬」と言います。

 普段の食事と運動が一番大事です。当治療院では必ず始めに食事の指導と運動のやり方を指導します。毎日食べている食事が体を作り、間違っていれば病気になります。

東洋医学的考え方

○ 陰陽論

 これは地球や宇宙の現象及び物事を相対的に捉える方法です。

 (主に漢方薬の使い方に応用します。)

N極 ……
S極 ……

 しかし、はっきりと陽と陰に分かれるのではない。

 陽の中に陰、陰の中に陽がある。

 例えば、棒磁石にはN極とS極がありますが、それを半分に切ってもまたN極とS極が出来、北や南は基準となる立ち位置によっても違ってきます。つまり、あくまでも相対的なものです。

 東洋では「中庸」バランスの良い状態、偏りのない理想の状態を目指します。体も右にも左にも偏らない状態に持っていきます。

 東洋の哲学者の言葉やことわざはここから発想されています。

過ぎたるは及ばざる如し

朝のこない夜はない

災い転じて福となす

 即ち、陰 極まれば陽になり、陽 極まれば陰になる

○ 五行説

 これは地球上の物事を木・火・土・金・水の5種類に分類して認識する考え方です。この考え方は主に鍼灸の治療に応用します。

 現代の一般の人にはなかなか理解不可能ですが、簡単に説明しますと、例えば水は木を生じ、木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生ずると考えるのが「相生」であって、木は土に勝ち、土は水に勝ち、水は火に勝ち、火は金に勝つとするのが「相克」です。

  このように、木火土金水は互いに消長盛衰を繰り返すものであって、その調和の乱れたところに病が生ずるものだと説きます。

太極図